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FortiGate DNS ルックアップ用 DNS サーバと DNS サーバ機能の設定ガイド

目次

本記事について

本記事では、Fortinet 社のファイアウォール製品である FortiGate について、DNS ルックアップで使用する DNS サーバの設定、及び FortiGate を DNS サーバとして動作させる設定を行う方法について説明します。

DNS サーバ機能に関しては DNS キャッシュサーバとして動作させる方法についてのみ説明します。

動作確認環境

本記事の内容は以下の機器にて動作確認を行った結果に基づいて作成されています。

  • FortiGate-60F
    • バージョン 7.4.3

DNS ルックアップ用 DNS サーバの設定方法

FortiGate のデフォルトの設定では、DNS ルックアップで使用する DNS サーバは FortiGuard サーバとなっています。これを別の DNS サーバを使用するように設定変更する方法について説明します。

GUI で DNS サーバを設定する方法

STEP
DNS 設定画面の表示

GUI にログインし左側のメニューから「ネットワーク > DNS」をクリックします。

STEP
DNS サーバの設定

DNS設定画面が表示されるため設定します。

  • DNSサーバ」で「指定」を選択します
  • プライマリDNSサーバ」「セカンダリDNSサーバ(オプション)」に DNS サーバのアドレスを入力します
  • 使用する DNS プロトコルを指定します
    • デフォルトでは「TLS (TCP/853)」になっていますが、一般的な DNS サーバでは「DNS (UDP/53)」となるので注意してください
  • 画面下部の「適用」をクリックし設定変更を確定します

以上で DNS サーバの設定は完了です。

CLI で DNS サーバを設定する方法

DNS サーバ設定に該当するコンフィグ項目はconfig system dnsの中のset primaryset secondaryです。DNSサーバとして 8.8.8.8 と 8.8.4.4 を設定する場合の設定コマンドは以下のようになります。

config system dns
    set primary 8.8.8.8
    set secondary 8.8.4.4
end

また DNS プロトコルはset protocolで設定します。通常は値をcleartext(DNS (UDP/53))にします。

config system dns
    set protocol cleartext
end

set protocolの値の選択肢は以下の通りです。

cleartext    DNS over UDP/53, DNS over TCP/53.
dot          DNS over TLS/853.
doh          DNS over HTTPS/443.

以上を設定後のconfig system dnsの内容は以下のようになります。

FortiGate-60F # show system dns
config system dns
    set primary 8.8.8.8
    set secondary 8.8.4.4
end

set protocolは値がcleartextの場合はshowコマンドで表示されません。

DNS ルックアップの動作確認方法

FortiGate にはnslookup等の名前解決実行コマンドは無いため、代わりに ping を使います。宛先を FQDN で指定して ping を実行すると FortiGate は名前解決を行った上で ping を行うため、これによって名前解決ができるかを確認します。

ping 実行コマンド: execute ping <宛先>

FortiGate-60F # execute ping google.com
PING google.com (172.217.175.46): 56 data bytes
64 bytes from 172.217.175.46: icmp_seq=0 ttl=111 time=11.6 ms
64 bytes from 172.217.175.46: icmp_seq=1 ttl=111 time=20.8 ms
64 bytes from 172.217.175.46: icmp_seq=2 ttl=111 time=74.0 ms
^C
--- google.com ping statistics ---
3 packets transmitted, 3 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max = 11.6/35.4/74.0 ms

上の実行例のように、名前解決された結果の IP アドレスが表示されていれば名前解決が成功していると判断できます。

DNS サーバ機能の設定方法

FortiGate を DNS サーバとして動作させるための設定方法について説明します。

ここでは DNS キャッシュサーバとして動作させる方法についてのみ説明します。

GUI で DNS サーバ機能を設定する方法

STEP
表示機能の設定

GUI にログインし左側のメニューから「システム > 表示機能設定」をクリックします。

STEP
DNSデータベース表示の有効化

表示機能設定画面にて「DNSデータベース」のトグルスイッチを有効化し、「適用」をクリックします。

STEP
DNSサーバ画面の表示

GUI 左側のメニューから「ネットワーク > DNSサーバ」をクリックします。

STEP
インターフェース上のDNSサービスの新規作成

以下の画面が表示されるため「インターフェース上のDNSサービス」欄にある「新規作成」をクリックします。

STEP
DNSサービスの設定

以下のDNSサービス設定画面が表示されるため設定します。

  • インターフェース」では DNS サーバ機能を有効化したいインターフェースを選択します
  • モード」では「システム設定DNSへ転送」を選択します
  • DNSフィルタ」「DNS over HTTPS」はデフォルトの OFF のままとします
  • 設定ができたら「OK」をクリックして設定を確定します
STEP
設定の確認

以下のように設定が追加されたことを確認します。

以上で DNS サーバ機能の設定は完了です。

CLI で DNS サーバ機能を設定する方法

DNS サーバ機能の設定に該当するコンフィグ項目はconfig system dns-serverです。

コンフィグ構造としては、以下のようにconfig system dns-serverの中に DNS サーバ機能を有効化するインターフェース毎にedit項目が存在します。

config system dns-server
    edit "<対象インターフェース名>"
        set mode forward-only
    next
end

ここではサーバの「モード」を「システム設定DNSへ転送」をしますが、その場合editの中のset modeforward-onlyと設定します。

internal1 インターフェースで DNS サーバ機能を有効化する場合のコンフィグは以下のようになります。

config system dns-server
    edit "internal1"
        set mode forward-only
    next
end

DNSフィルタ」「DNS over HTTPS」についてはデフォルトの OFF のままとするため CLI で設定時にこれらの設定に関してコマンド投入する必要はありません。

DNS サーバ機能の動作確認

FortiGate に接続した端末から、FortiGate を DNS サーバとしてnslookupを実行してみます。

C:\Users\Shade>nslookup google.com 10.10.11.1
サーバー:  UnKnown
Address:  10.10.11.1

権限のない回答:
名前:    google.com
Addresses:  2404:6800:4004:81d::200e
          142.250.198.14

DNS サーバ機能関連コマンド

  • diagnose test application dnsproxy 7
    • DNS キャッシュを表示します
FortiGate-60F # diagnose test application dnsproxy 7
worker idx: 0
vfid=0, name=login.windows.net, ttl=68:57:1789
         40.126.38.19 (ttl=254) 40.126.38.22 (ttl=254) 40.126.38.20 (ttl=254) 20.190.166.131 (ttl=254) 20.190.166.67 (ttl=254)
         20.190.166.133 (ttl=254) 20.190.166.132 (ttl=254) 40.126.38.21 (ttl=254)
vfid=0, name=gmail.com, ttl=130:110:1780
         142.251.222.5 (ttl=130)
vfid=0, name=login.microsoftonline.com, ttl=86:47:1761
         20.190.166.133 (ttl=86) 20.190.166.66 (ttl=86) 40.126.38.20 (ttl=86) 40.126.38.19 (ttl=86) 20.190.166.132 (ttl=86)
         40.126.38.21 (ttl=86) 40.126.38.22 (ttl=86) 20.190.166.131 (ttl=86)
vfid=0, name=login.microsoft.com, ttl=102:52:1750
         40.126.38.22 (ttl=102) 20.190.166.132 (ttl=102) 40.126.38.21 (ttl=102) 20.190.166.66 (ttl=102) 20.190.166.67 (ttl=102)
         20.190.166.133 (ttl=102) 20.190.166.131 (ttl=102) 40.126.38.19 (ttl=102)
vfid=0, name=google.com, ttl=27:0:1643
         2404:6800:4004:81d::200e (ttl=27)
vfid=0, name=google.com, ttl=84:0:1643
         142.250.198.14 (ttl=84)
vfid=0, name=forticlient.fortinet.com, ttl=10738:10285:1347
         208.184.237.75 (ttl=10738) 173.243.138.76 (ttl=10738)
vfid=0, name=globalproductapi.fortinet.net, ttl=1365:875:1310
         154.52.14.206 (ttl=1365)
vfid=0, name=globalvideoquery.fortinet.net, ttl=2131:879:548
         173.243.129.18 (ttl=2131) 173.243.140.18 (ttl=2131)
CACHE num=9
  • diagnose test application dnsproxy <オプション番号>
    • オプション番号の選択肢は以下の通り
1. Clear DNS cache
2. Show stats
3. Dump DNS setting
4. Reload FQDN
5. Requery FQDN
6. Dump FQDN
7. Dump DNS cache
8. Dump DNS DB
9. Reload DNS DB
10. Dump secure DNS policy/profile
11. Dump Botnet domain
12. Reload Secure DNS setting
13. Show Hostname cache
14. Clear Hostname cache
15. Show SDNS rating cache
16. Clear SDNS rating cache
17. DNS debug bit mask
99. Restart dnsproxy worker

diagnose test application dnsproxy 1で DNS キャッシュを削除できます。

FortiGate-60F # diagnose test application dnsproxy 1
worker idx: 0

FortiGate-60F # diagnose test application dnsproxy 7
worker idx: 0
CACHE num=0

以上です。


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