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Cisco 機種別バージョンアップ方法 (ルータ、スイッチ、ファイアウォール)

目次

本記事について

本記事では、ネットワークの設計・構築を行うエンジニアを対象に、Cisco 機器の機種別バージョンアップの方法について説明します。

Cisco 機器のバージョンアップ方法は機種ごとに異なります

検索エンジンにて「Cisco バージョンアップ」などのワードで検索すると、Cisco のスイッチやルータのバージョンアップ方法が記載されたページをすぐに見つけることができます。しかしそれらのページの多くはどの機種・型番が対象となっているのかが明確に記載されていません。このため新人ネットワークエンジニアの場合、最初に見つけた方法がすべての Cisco 機器に対して適用できると勘違いしてしまう場合があります。

実際にはルータ、スイッチといった機種ごとにバージョンアップの方法は異なり、またスイッチの中でも型番によって異なるなど、機種・型番によってバージョンアップの方法が異なります。Cisco 機器のバージョンアップを行う際には、必ず対象機種に関する Cisco 公式のドキュメント(アップグレードガイド)でバージョンアップ方法を確認するようにしてください

本記事では以下の機種・型番別にバージョンアップ方法を説明しますが、Cisco 公式のアップグレードガイドも合わせて確認するようにしてください。

本記事で対象とする機種
  • ルータ
  • Catalyst スイッチ
    • C1000シリーズ、C2960シリーズ、C3750シリーズ等 (archive download-sw コマンドを使用するパターン)
    • C3850シリーズ、C9000シリーズ等 (install コマンドを使用するパターン)
  • Nexus スイッチ
  • ファイアウォール
    • ASA
    • Firepower (ASA OS 搭載)

全機種の共通事項

全機種共通で、バージョンアップをするためには新 OS ファイルを対象機器に転送する必要があります。ファイル転送のためには通常 FTP または TFTP を使用するため、バージョンアップをする際には FTP サーバまたは TFTP サーバを用意し、対象機器とネットワーク疎通できるよう接続する必要があります。

図:バージョンアップ時の構成

FTP/TFTPサーバは、作業用の Windows PCにフリーソフトの 3CDaemonServe をインストールすることで簡単に用意できます。

TFTP よりも FTP の方が転送速度が速いため、FTP を使用することをおすすめします。

ルータのバージョンアップ方法

ルータについては、ほとんどの機種で従来のフラッシュ内の OS ファイルを入れ替える方法でバージョンアップできます。対象となるルータとしては例えば以下のような機種が該当します。

  • Cisco ISR 890 シリーズ
  • Cisco ISR 900J シリーズ
  • Cisco ISR 1100 シリーズ
  • Cisco ASR 1000 シリーズ

ただし、最新の Cisco Catalyst 8000 シリーズではバージョン 17.7.1a 以降、インストールモードによるバージョン変更に対応したため、この場合については Catalyst 9000 シリーズスイッチ等と同様のバージョンアップ方法になりました。

ルータの起動 OS に関する基礎知識

ルータでは以下の優先順位で起動 OS が決定されます。

  • boot system設定がされている場合、この設定で指定されている OS で起動する
  • boot system設定がされていない場合、フラッシュメモリに格納されている OS ファイルの内、ファイルリスト(show flash:における表示)の一番上に位置する OS で起動する

この優先順位を把握した上でバージョンアップを行ってください。

バージョンアップ手順

ルータのバージョンアップ手順は以下の通りです。

以下の手順では OS 格納先を flash: として説明していますが、機種によっては bootflash: となる場合もあるため、対象機器の CLI ヘルプにて確認してください。

Cisco Catalyst 8000 シリーズルータについては、インストールモードによるバージョンアップとなるため後述の「C3850シリーズ、C9000シリーズ等のバージョンアップ方法」を参照してください。

STEP
現状のフラッシュメモリ内容を確認

show flash:コマンドを実行し、現状フラッシュメモリ内に格納されている OS ファイルを確認します。また、十分な空き容量 (転送する OS ファイルより大きいこと) があることを確認します。

Router01#show flash:
-#- --length-- -----date/time------ path
1            0 Nov 6 2022 11:48:46 +09:00 managed
2            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/odm
3        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-dm.odm
4        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-nms.odm
5        21341 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/odm/cg-dm-1.0.odm
6        21341 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/odm/cg-nms-1.0.odm
7            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/scripts
8         3235 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts.tcl
9         3235 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts-1.0.tcl
10           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/reprovision
11           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 eem
12    97206388 Nov 6 2022 11:41:48 +09:00 c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin
13          35 Sep 19 2024 19:52:06 +09:00 pnp-tech-time
14       65418 Sep 19 2024 19:52:12 +09:00 pnp-tech-discovery-summary
15         780 Jan 4 2025 11:16:06 +09:00 vlan.dat

159092736 bytes available (97415168 bytes used)

上の出力例では OS ファイルとして「c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin」のみ存在することが確認できます。

STEP
OS ファイルを対象ルータにコピー

まずバージョンアップで使用する OS ファイルを対象ルータのフラッシュメモリにコピーします。

コピーは特権モードにて以下コマンドで実行します。

copyコマンド(FTP利用時)
  • copy ftp://<ftpユーザ名>:<ftpパスワード>@<サーバアドレス>/<OSファイルパス> flash:
Router01#copy ftp://user01:user01@10.1.1.33/c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin flash:
Destination filename [c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin]?
Accessing ftp://*:*@10.1.1.33/c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin...
Loading c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
[OK - 97442740/4096 bytes]

97442740 bytes copied in 95.088 secs (1024764 bytes/sec)
copyコマンド(TFTP利用時)
  • copy tftp://<サーバアドレス>/<OSファイルパス> flash:
Router01#copy tftp://10.1.1.33/c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin flash:
Destination filename [c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin]?
Accessing tftp://10.1.1.33/c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin...
Loading c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin from 10.1.1.33 (via Vlan10): !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
[OK - 97442740 bytes]

97442740 bytes copied in 370.612 secs (262924 bytes/sec)

コピー完了後、show flash:コマンドでフラッシュメモリ内に OS ファイルがコピーされていることを確認します。

Router01#show flash:
-#- --length-- -----date/time------ path
1            0 Nov 6 2022 11:48:46 +09:00 managed
2            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/odm
3        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-dm.odm
4        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-nms.odm
5        21341 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/odm/cg-dm-1.0.odm
6        21341 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/odm/cg-nms-1.0.odm
7            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/scripts
8         3235 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts.tcl
9         3235 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts-1.0.tcl
10           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/reprovision
11           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 eem
12    97206388 Nov 6 2022 11:41:48 +09:00 c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin
13          35 Sep 19 2024 19:52:06 +09:00 pnp-tech-time
14       65418 Sep 19 2024 19:52:12 +09:00 pnp-tech-discovery-summary
15         780 Jan 4 2025 11:16:06 +09:00 vlan.dat
16    97442740 Jan 4 2025 15:31:10 +09:00 c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin

61648896 bytes available (194859008 bytes used)

上の出力例では「#16」に「c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin」がコピーされたことを確認できます。

STEP
boot system 設定の追加

コンフィギュレーションモードにて起動OSを指定するboot systemの設定を行います。

boot system 設定コマンド
  • boot system flash:<OSファイル名>
Router01(config)#boot system flash:c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin

設定後は設定の保存を行います。

Router01#write memory
Building configuration...
[OK][OK]
STEP
再起動の実行

reloadコマンドで再起動を行います。

Router01#reload
Proceed with reload? [confirm]

再起動後show versionコマンドで起動バージョンを確認します。

Router01#show version
Cisco IOS Software, C800 Software (C800-UNIVERSALK9-M), Version 15.9(3)M10, RELEASE SOFTWARE (fc1)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2024 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 01-Aug-24 14:07 by mcpre

ROM: System Bootstrap, Version 15.4(1r)T1, RELEASE SOFTWARE (fc1)
STEP
フラッシュメモリ内の不要な OS ファイルを削除

フラッシュメモリ内の旧 OS ファイルが不要な場合は特権モードの以下コマンドにて削除します。

OS ファイル削除コマンド
  • delete flash:<OSファイル名>
Router01#delete flash:c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin
Delete filename [c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin]?
Delete flash:/c800j-universalk9-mz.SPA.158-3.M9.bin? [confirm]

削除後、show flash:コマンドでフラッシュメモリ内の指定した OS ファイルが削除されていることを確認します。

Router01#show flash:
-#- --length-- -----date/time------ path
1            0 Nov 6 2022 11:48:46 +09:00 managed
2            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/odm
3        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-dm.odm
4        21341 Nov 6 2022 11:48:50 +09:00 managed/odm/cg-nms.odm
5        21341 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/odm/cg-dm-1.0.odm
6        21341 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/odm/cg-nms-1.0.odm
7            0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/scripts
8         3235 Nov 6 2022 11:48:52 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts.tcl
9         3235 Nov 6 2022 11:48:54 +09:00 managed/scripts/cg-nms-scripts-1.0.tcl
10           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 managed/reprovision
11           0 Nov 6 2022 11:48:48 +09:00 eem
13          35 Sep 19 2024 19:52:06 +09:00 pnp-tech-time
14       65418 Sep 19 2024 19:52:12 +09:00 pnp-tech-discovery-summary
15         780 Jan 4 2025 15:45:04 +09:00 vlan.dat
16    97442740 Jan 4 2025 15:31:10 +09:00 c800j-universalk9-mz.SPA.159-3.M10.bin

158859264 bytes available (97648640 bytes used)

以上でバージョンアップは完了です。

上のバージョンアップ手順ではboot systemの設定を行っていますが、フラッシュメモリ内の OS ファイルが新バージョンの OS 一つのみになっている場合は、boot systemの設定をしなくても問題なく新バージョンの OS で起動します。ただその場合でも、一般的な構築案件ではboot systemの設定をしておいた方が無難です。

Catalyst スイッチのバージョンアップ方法

Catalyst スイッチではバージョンアップ方法以下の2種類に分かれます。

2つのバージョンアップパターン
  • 従来のarchive download-swコマンドを使用するパターン
    • 古い機種はこちらのパターン
  • 新しいinstallコマンドを使用するパターン
    • 新しい機種はこちらのパターン

また、スイッチの OS については、ルータのように OS ファイルをそのままフラッシュ内に格納して起動時にその OS ファイルを展開するのではなく、バージョン変更時に OS ファイルがフラッシュ内に展開されてインストールされます。ルータとは動作が異なりますので注意してください。

C1000シリーズ、C2960シリーズ、C3750シリーズ等のバージョンアップ方法

C1000シリーズ、C2960シリーズ、C3750シリーズ等の古い機種では従来のarchive download-swコマンドを使用してバージョンアップを行います。その手順は以下の通りです。

STEP
バージョンアップコマンドの実行

特権モードにて以下のバージョンアップコマンドを実行します。

バージョンアップコマンド(FTP利用時)
  • archive download-sw /overwrite ftp://<ftpユーザ名>:<ftpパスワード>@<サーバアドレス>/<OSファイルパス>
バージョンアップコマンド(TFTP利用時)
  • archive download-sw /overwrite tftp://<サーバアドレス>/<OSファイルパス>
Switch01#archive download-sw /overwrite ftp://user01:user01@10.1.1.33/c2960-lanbasek9-tar.122-55.SE12.tar
Loading c2960-lanbasek9-tar.122-55.SE12.tar !!!!!!!

バージョンアップ処理では古い OS ファイルの削除と新 OS の展開などが実施されます。処理には10分程度要します。処理が完了すると特権モードのプロンプトに戻ります。

All software images installed.
Switch01#
STEP
再起動の実行

reloadコマンドで再起動を行います。

Switch01#reload
Proceed with reload? [confirm]

再起動後show versionコマンドで起動バージョンを確認します。

Switch01#show version
Cisco IOS Software, C2960 Software (C2960-LANBASEK9-M), Version 12.2(55)SE12, RELEASE SOFTWARE (fc2)
Technical Support: http://www.cisco.com/techsupport
Copyright (c) 1986-2017 by Cisco Systems, Inc.
Compiled Thu 28-Sep-17 02:53 by prod_rel_team
Image text-base: 0x00003000, data-base: 0x01900000

ROM: Bootstrap program is C2960 boot loader
BOOTLDR: C2960 Boot Loader (C2960-HBOOT-M) Version 12.2(35r)SE2, RELEASE SOFTWARE (fc1)

以上でバージョンアップは完了です。

C3850シリーズ、C9000シリーズ等のバージョンアップ方法

C3850シリーズ、C9000シリーズ等の新しい機種ではarchive download-swコマンドではなくinstallコマンドを使用してバージョンアップします。

C3850シリーズスイッチについては古いバージョンではバージョンアップ方法が異なります。詳しくは以下のドキュメントを参照してください。
Cisco Catalyst 3850 シリーズ スイッチの保守
Catalyst3650/Catalyst3850 : バージョンのアップグレード手順

installコマンドを使用したバージョンアップ手順は以下の通りです。

STEP
フラッシュ空き容量の確認

show flash:コマンドを実行し、現状フラッシュメモリに十分な空き容量 (転送する OS ファイルより大きいこと) があることを確認します。

Switch#show flash:
-#- --length-- ---------date/time--------- path
  2    2097152 Jan 10 2021 05:13:45.0000000000 +00:00 nvram_config
  3    2097152 Jan 10 2021 05:13:45.0000000000 +00:00 nvram_config_bkup
  4   27231232 Mar 07 2020 09:18:09.0000000000 +00:00 cat9k-cc_srdriver.16.09.04.SPA.pkg
  5   81241084 Mar 07 2020 09:18:09.0000000000 +00:00 cat9k-espbase.16.09.04.SPA.pkg
#略
10037112832 bytes available (739364864 bytes used)
STEP
OS ファイルを対象スイッチにコピー

バージョンアップで使用する OS ファイルを対象スイッチのフラッシュメモリにコピーします。

コピーは特権モードにて以下コマンドで実行します。

copyコマンド(FTP利用時)
  • copy ftp://<ftpユーザ名>:<ftpパスワード>@<サーバアドレス>/<OSファイルパス> flash:
copyコマンド(TFTP利用時)
  • copy tftp://<サーバアドレス>/<OSファイルパス> flash:
Switch#copy tftp://192.168.1.1/cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin flash:
Destination filename [cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin]? 
Accessing tftp://192.168.1.1/cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin...
Loading cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin from 192.168.1.1 (via Vlan192): !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
[OK - 805827585 bytes]

805827585 bytes copied in 970.894 secs (829985 bytes/sec)

コピー後dir flash:*.binコマンドでフラッシュ内にOSファイルがコピーされたことを確認します。

Switch#dir flash:*.bin
Directory of flash:/*.bin

Directory of flash:/

262167  -rw-   805827585  Jan 10 2021 05:57:12 +00:00  cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin
11353194496 bytes total (9230487552 bytes free)
STEP
新 OS のインストール

特権モードの以下コマンドで新 OS をインストールします。

OSインストールコマンド
  • install add file flash:<OSファイル名> activate commit
Switch#install add file flash:cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin activate commit
install_add_activate_commit: START Wed Jan 10 06:03:45 UTC 2021

System configuration has been modified.
Press Yes(y) to save the configuration and proceed.
Press No(n) for proceeding without saving the configuration.
Press Quit(q) to exit, you may save configuration and re-enter the command. [y/n/q]

未保存のコンフィグがある場合は、保存するかどうかを聞かれるため y/n/q の何れかを押下して応答します。

  • Press Quit(q) to exit, you may save configuration and re-enter the command. [y/n/q]
    • y → 保存する
    • n → 保存しない
    • q → 処理を中止する

C9400 シリーズスイッチの場合、未保存のコンフィグがある場合はエラーになり処理が中止されることを確認しています。コンフィグを保存してからインストールコマンドを実行してください。

その後、再起動が必要となる処理だが継続するか?を聞かれるため「y」を押下して応答します。

  • This operation requires a reload of the system. Do you want to proceed? [y/n]

バージョンアップ処理中は機器の再起動が発生します。起動完了し操作可能になればバージョンアップが完了です。

STEP
バージョンアップ後の確認

show versionコマンドを実行し、新バージョンで起動していることを確認します。

Switch#show version
Cisco IOS XE Software, Version 16.12.04
Cisco IOS Software [Gibraltar], Catalyst L3 Switch Software (CAT9K_IOSXE), Version 16.12.4, RELEASE SOFTWARE (fc5)
#略
Switch Ports Model              SW Version        SW Image              Mode   
------ ----- -----              ----------        ----------            ----   
*    1 41    C9300-24T          16.12.4           CAT9K_IOSXE           INSTALL


Configuration register is 0x102

show install summaryコマンドを実行し、State (St)C であることを確認します。

Switch#show install summary
[ Switch 1 ] Installed Package(s) Information:
State (St): I - Inactive, U - Activated & Uncommitted,
            C - Activated & Committed, D - Deactivated & Uncommitted
--------------------------------------------------------------------------------
Type  St   Filename/Version    
--------------------------------------------------------------------------------
IMG   C    16.12.4.0.4480                                                      

--------------------------------------------------------------------------------
Auto abort timer: inactive
--------------------------------------------------------------------------------

またshow flash:を実行し、新バージョンのファイルがインストールされていることを確認します。

STEP
旧 OS パッケージファイルの削除

install remove inactiveコマンドを実行し、古い OS のファイルを削除します。

Switch#install remove inactive
install_remove: START Wed Jan 10 06:30:59 UTC 2021

(中略)
  
The following files will be deleted:
[switch 1]:
/flash/cat9k-cc_srdriver.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-espbase.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-guestshell.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-rpbase.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-rpboot.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-sipbase.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-sipspa.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-srdriver.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-webui.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k-wlc.16.09.04.SPA.pkg
/flash/cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin
/flash/cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.conf
Do you want to remove the above files? [y/n]

古いファイルの削除確認があるため、「y」を押下して応答します。

  • Do you want to remove the above files? [y/n]
Do you want to remove the above files? [y/n]y
[switch 1]:
Deleting file flash:cat9k-cc_srdriver.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-espbase.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-guestshell.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-rpbase.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-rpboot.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-sipbase.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-sipspa.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-srdriver.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-webui.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k-wlc.16.09.04.SPA.pkg ... done.
Deleting file flash:cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.bin ... done.
Deleting file flash:cat9k_iosxe.16.12.04.SPA.conf ... done.
SUCCESS: Files deleted.
--- Starting Post_Remove_Cleanup ---
Performing Post_Remove_Cleanup on all members
  [1] Post_Remove_Cleanup package(s) on switch 1
  [1] Finished Post_Remove_Cleanup on switch 1
Checking status of Post_Remove_Cleanup on [1]
Post_Remove_Cleanup: Passed on [1]
Finished Post_Remove_Cleanup

SUCCESS: install_remove  Wed Jan 10 06:34:17 UTC 2021

以上で古い OS ファイルの削除は完了です。

削除後にshow flash:コマンドを実行して旧 OS のファイルが削除されていることを確認します。

以上でバージョンアップは完了です。

Nexus スイッチのバージョンアップ方法

Nexus スイッチでは NX-OS が使用されており、Catalyst スイッチとはバージョンアップ方法が異なります。

バージョンアップ手順については以下の Cisco ドキュメントなどを参考にしてください。

Cisco
Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS ソフトウェア アップグレードおよびダウングレード ガイド、リリース 9.3... Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS ソフトウェアのアップグレードまたはダウングレード
Cisco
Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS ソフトウェア アップグレードおよびダウングレード ガイド、リリース 10.... Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS ソフトウェアのアップグレードまたはダウングレード

ファイアウォールのバージョンアップ方法

Cisco ファイアウォールには従来機種の ASA とその後継機種の Firepower があります。

Firepower については、ファイアウォール機能を持つ ASA OS がインストールされているパターンと、UTM 機能を持つ FTD OS がインストールされているパターンで分かれます。ここでは ASA OS がインストールされているパターンを対象とします。

ASA のバージョンアップ方法

ここでは ASA 5500-X シリーズを対象とします。

バージョンアップ方法はルータと同様で OS ファイルをフラッシュにコピーした上でboot system設定を行います。詳しくは以下の Cisco ドキュメントを参照してください。

Firepower (ASA OS 搭載) のバージョンアップ方法

ASA OS がインストールされた Firepower のバージョンアップ方法については以下の記事にまとめているため、そちらを参照してください。

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